2020年4月2日現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で飲食店や娯楽施設など多くのリアル店舗が経営難になる状況が起きています。
クライミング施設も例外ではなく、客足が落ち込み、このままでは経営が危ぶまれるという声も聞こえてきます。
一方、クラスター(集団感染)化するリスクを回避するために、休業を選択するボルダリングジムも出てきています。
感染拡大のリスクを防ぎ、感染場所とならないためには、休業はベストな選択だと言えるでしょう。
ただ、休業してしまうと売り上げの減少は免れません。
そこで今回の記事では、新型コロナウイルスが及ぼす運営リスクと、休業した場合の資金調達法を紹介していきます。
ジムオーナーの皆様には、是非一度休業という選択肢について考えていただけると嬉しいです。
※この記事の情報は主に4月13日20:00時点の経済産業省資料「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」を参考にしています。制度の条件や数字などの詳細は資料をご参照ください。
▼経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」▼
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
目次
1.COVID-19をとりまく現状
新型コロナウイルス「COVID-19」については発症源をはじめ、実態が明確にわかっていません。
終息時期についても、外気温が高くなれば終息するという噂も一部で聞こえますが、あくまで噂にほかなりません。
仮に北半球で夏に終息するとしても、同じころに冬を迎える南半球でウイルスは生き続ける可能性があると言われています。
南半球で終息するころに再び北半球で感染者が出続け、感染サイクルが生まれるリスクがあるのです。
さらに、ワクチンに関しても1年後に開発される保証も、開発されたとしてもすべての人に行きわたる数が確保できるという保証もありません。
2.COVID-19の脅威
何より新種であるということが、COVID-19の脅威です。
風邪には症状を緩和させる薬があり、インフルエンザのような既存のウイルスにはワクチンがあります。
しかし、COVID-19は新種のため、症状を緩和させたりウイルスを消滅させたりする薬が現在は存在しません。
感染し、発症してしまうと現状では打つ手がない。
打つ手がないまま症状が悪化し、最悪死に至る。
これが新型ウイルスの脅威です。
そして、今までの「病気は治る」という経験値から「脅威ではない」と判断してしまい、通常通りの生活を続けることもまた脅威なのです。
3.営業を続けることで生まれるリスク
具体的にクライミング施設の営業を継続すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
大きく分けると、1次感染と2次感染、そして風評被害が考えられます。
3-1.1次感染:ボルダリングジムからクラスター(集団感染)が生まれる
新型コロナ対策として、ボルダリングジムを含む様々な施設で「アルコール消毒」や「換気」の徹底などの対策が取られています。
しかし、これらは最低限のリスク回避をしただけにすぎません。
ボルダリングジムに話を絞ると、感染者がアルコール消毒をして、マスクをつけ、他の人との接触を避けながら登っていたとしても、ふとしたタイミングでマスクを外して話したり咳き込んだりすることでウイルスが飛散します。
仮に、感染者の飛沫がホールドや更衣室のドアなどに付着した場合、様々な人にウイルスが移りわたる可能性が出てきてしまうのです。
3-2.2次感染:感染者の家族などの接触者に感染する
そして、ウイルスを持ちかえった人は、知らず知らずのうちに家族などの接触者の感染源となる恐れがあります。
また、感染し、症状がないまま様々なジムで登りつづければ、ウイルス感染地域を拡大させることになります。
3-3.風評被害が起きる
すでにいくつかのスポーツジムで、COVID-19のクラスター化が起きています。
仮に特定の感染者の感染場所がボルダリングジムだとメディアに報じられてしまえば、例え事実と異なっていたとしても、「新型コロナの温床」「衛生環境が悪い」「意識が低い」というようなレッテルを貼られる恐れがあります。
また、ジムで働くスタッフに対しても、差別的・攻撃的な態度をとる人が出てくるかもしれません。
4.休業しても経営を守る術はある!
現在も営業を続けているジムのなかには、「本当は休業したいけど経営が破綻するから営業するしかない」というところもあるかもしれません。
しかし、来店客やスタッフのことを第一に考えるのであれば、勇気ある休業を選んでほしいと願います。
数多くいるクライマー全員が事の重大さを理解して自粛することはなかなか難しいと思います。
ですが、ジム側が動けば、感染拡大を防ぐだけでなく、業界全体の結びつきを強めることや意識改革にもつなげられるはずです。
安心してください。
休業しても経営を守る術はあります!
4-1.政府による支援策一覧
まず、国による緊急支援が拡充されつつあります。
順を追って説明していきます。
4月8日に公表された「感染症対策を含む中小企業強靭化対策事業」については、詳細の内容がわかり次第、掲載する予定です。
名称 | 種類 | 問い合わせ先 |
---|---|---|
経営相談窓口の開設 | 相談 | 平日 新型コロナウイルスに関する経営相談窓口一覧 土日祝 土日相談窓口一覧 |
専門家による経営アドバイス | 相談 | ①経営相談 平日 新型コロナウイルスに関する経営相談窓口一覧 土日祝 土日相談窓口一覧 ②専門家派遣 ①の問い合わせ先または、地域プラットフォーム |
セーフティネット保証4号・5号 | 信用保証 | 最寄りの信用保証協会 |
危機関連保証 | 信用保証 | 最寄りの信用保証協会 |
信用保証付き融資における保証料・利子減免 | 信用保証 | 中小企業 金融・給付金相談窓口(9:00~17:00):0570-783-183 |
新型コロナウイルス感染症特別貸付 | 融資 | 平日 日本政策金融公庫 事業資金相談ダイヤル:0120-154-505 沖縄振興開発金融公庫 融資第二部中小企業融資第一班:098-941-1785 土日祝 日本政策金融公庫:0120-112476(国民生活事業)、0120-327790(中小企業事業) 沖縄振興開発金融公庫:098-941-1795 |
危機対応融資 | 融資 | 商工組合中央金庫相談窓口(9:00~17:00):0120ー542ー711 |
特別利子補給制度 | 融資 | 中小企業 金融・給付金相談窓口(9:00~17:00):0570-783-183 |
マル経融資の金利引下げ | 融資 | 日本政策金融公庫(沖縄振興開発金融公庫)の本支店または最寄りの商工会・商工会議所 |
セーフティネット貸付の要件緩和 | 融資 | 平日 日本政策金融公庫 事業資金相談ダイヤル:0120-154-505 沖縄振興開発金融公庫 融資第二部中小企業融資第一班:098-941-1785 土日祝 日本政策金融公庫:0120-112476(国民生活事業)、0120-327790(中小企業事業) 沖縄振興開発金融公庫:098-941-1795 |
日本公庫等の既往債務の借換 | 融資 | 中小企業 金融・給付金相談窓口(9:00~17:00):0570-783-183 |
新型コロナ特例リスケジュール | 融資 | 中小企業 金融・給付金相談窓口(9:00~17:00):0570-783-183 最寄りの中小企業再生支援協議会 |
小規模企業共済制度の特例緊急経営安定貸付等 | 融資 | (独)中小企業基盤整備機構 共済相談室(9:00~18:00):050-5541-7171 |
DBJ・商工中金による危機対応融資 | 融資 | 日本政策投資銀行 新型コロナウイルス感染症に関する危機対応相談窓口(9:00~17:00):0120-598-600 商工組合中央金庫相談窓口(9:00~17:00):0120-542-711 |
持続化給付金 | 助成 | 中小企業 金融・給付金相談窓口(9:00~17:00):0570-783-183 |
雇用調整助成金の特例措置 | 助成 | 最寄りの都道府県労働局 |
小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援 | 助成 | 学校等休業助成金・支援金、雇用調整助成金、個人向け緊急小口資金 相談コールセンター:0120-60-3999 |
納税の猶予の特例 | 税など | |
税務申告・納付期限の延長 | 税など | |
国税の納付の猶予制度 | 税など | |
地方税の猶予制度 | 税など | 中小企業 金融・給付金相談窓口(9:00~17:00):0570-783-183 |
欠損金の繰戻し還付 | 税など | |
固定資産税等の軽減 | 税など | 1.固定資産税・都市計画税の減免について 中小企業庁 事業環境部 財務課:03-3501-5803 2.固定資産税の特例の拡充・延長について 中小企業庁 経営支援部 技術・経営革新課:03-3501-1816 |
厚生年金保険料等の猶予制度 | 税など | 最寄りの年金事務所 |
4-1-1.経営相談窓口の開設(4月14日追記)
1月29日(水)より中小企業関連団体、支援機関、政府系金融機関等1,050拠点に「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」を設置し、経営相談に対応。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
資金繰りや今後の経営などに関する相談を受け付けています。
▼経済産業省「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」▼
平日:https://www.meti.go.jp/covid-19/sodan_madoguchi.html
土日祝:https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200228010/20200228010.html
4-1-2.専門家による経営アドバイス(4月14日追記)
資金繰りだけでなく、売上げの拡大や経営改善、ITツールの導入など、中小企業・小規模事業者の皆様が抱える様々な経営のお悩みに、専門家が対応します。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
4-1-1にある①「経営相談」や②相談内容に応じた無料の専門家派遣、③IT専門家から助言などが受けられる「中小企業デジタル化応援隊事業」が実施されます。
③は令和2年度補正予算の成立が前提となっています。
4-2.政府による資金繰りの支援
融資を受けるという選択になりますが、条件によっては無担保・無利子で借入することができます。
ここでは簡単な紹介にとどめますが、興味のある方は是非一度お問い合わせ窓口に相談してみてください。
▼資金繰り支援全般に関するお問合せ先▼
中小企業金融相談窓口(9:00~17:00):0570-783-183(4月14日変更)
金融庁相談ダイヤル(平日10:00~17:00):0120-156-811
4-2-1.セーフティネット保証4号・5号
経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証(最大2.8億円)とは別枠の保証の対象とする資金繰り支援制度。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
条件は異なりますが、4号と5号の対象となる場合、一般制度上とは別枠で一定の信用保証を受けることができるようになります。
セーフティネット保証4号とは―
幅広い業種で影響が生じている地域について、一般枠とは別枠(最大2.8億円)で借入債務の100%を保証。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
※売上高が前年同月比▲20%以上減少等の場合
セーフティネット保証5号とは―
特に重大な影響が生じている業種について、一般枠とは別枠(最大2.8億円、4号と同枠)で借入債務の80%を保証。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
※売上高が前年同月比▲5%以上減少等の場合
4-2-2.危機関連保証
全国の中小企業・小規模事業者の資金繰りが逼迫していることを踏まえ、全国・全業種※の事業者を対象に「危機関連保証」(100%保証)として、売上高が前年同月比▲15%以上減少する中小企業・小規模事業者に対して、更なる別枠(2.8億円)を措置。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
※一部保証対象外の業種があります。詳しくは最寄りの信用保証協会にご相談ください。
対象の事業者は、制度上の枠とセーフティネット保証の枠とは別に、一定の保証を受けることができるようになります。
4-2-3.信用保証付き融資における保証料・利子減免(4月14日追記)
都道府県等による制度融資を活用して、民間金融機関にも実質無利子・無担保・据置最大5年・保証料減免の融資を拡大。さらに、信用保証付き既往債務も制度融資を活用した実質無利子融資に借換可能。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
特定の条件を満たせば、保証料と利子を実質最大0で融資を受けることができるようになります。
令和2年度補正予算の成立が前提です。
4-2-4.新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫等)(4月14日画像を変更)
日本政策金融公庫等が、新型コロナウイルス感染症による影響を受け業況が悪化した事業者(事業性のあるフリーランスを含む)に対し、融資枠別枠の制度を創設。信用力や担保に依らず一律金利とし、融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げを実施。据置期間は最長5年。3月17日より制度適用開始。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した事業者のうち、条件の対象者はほぼ無利子で融資を受けることができるようになります。
4-2-5.危機対応融資(商工中央金庫)
商工組合中央金庫が、新型コロナウイルス感染症による影響を受け業況が悪化した事業者に対し、危機対応融資による資金繰り支援を実施します。信用力や担保に依らず一律金利とし、融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げを実施。据置期間は最長5年。4月中旬より制度適用開始(3月19日に受付開始) 。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
日本政策金融公庫などとほぼ同じ内容ですが、どちらにすればいいか迷った場合は、国が母体である日本政策金融公庫などに問い合わせてみるのがいいかもしれません。
4-2-6.特別利子補給制度
日本政策金融公庫等の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」若しくは商工中金による「危機対応融資」により借入を行った中小企業者等のうち、特に影響の大きい事業性のあるフリーランスを含む個人事業主、また売上高が急減した事業者などに対して、利子補給を行うことで資金繰り支援を実施。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
影響の大きい事業者は、実質無利子で融資を受けることができるようになります。
4-2-7.マル経融資の金利引き下げ
新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少した小規模事業者の資金繰りを支援するため、別枠1,000万円の範囲内で当初3年間、通常の貸付金利から▲0.9%引下げする。加えて、据置期間を運転資金で3年以内、設備資金で4年以内に延長する。3月17日より制度適用開始。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
マル経融資とは―
小規模事業者経営改善資金融資(通称:マル経)は、商工会議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員による経営指導を受けた小規模事業者に対して、日本政策金融公庫が無担保・無保証人で融資を行う制度。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
無担保・無保証人で融資を受けられる制度の金利が引き下げられるというものです。
4-2-8.セーフティネット貸付の要件緩和
2月14日(金)より、セーフティネット貸付の要件を緩和し、「売上高が5%以上減少」といった数値要件にかかわらず、今後の影響が見込まれる事業者も含めて融資対象に。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
金利の引き下げはされませんが、条件に関わらず融資を受けることができるようになります。
4-2-9.日本公庫等の既往債務の借換(4月14日追記)
※日本政策金融公庫等の新型コロナウイルス感染症特別貸付や商工組合中央金庫の危機対応融資について、各機関毎に、既存の特別貸付や危機対応融資に係る債務を対象とした借換を可能とし、実質無利子化の対象にします。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
今回借り換えをする場合、特定の債務を対象に借り換えする融資などが実質無利子化になるものです。
令和2年度補正予算の成立が前提です。
4-2-10.新型コロナ特例リスケジュール(4月14日追記)
新たに新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業者に対して、中小企業再生支援協議会※が窓口相談や金融機関との調整を含めた新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール計画策定支援を行います。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
債務の返済や資金繰りの計画スケジュールの再編サポートを受けることができます。
4-2-11.小規模企業共済制度の特例緊急経営安定貸付等(4月14日追記)
小規模企業共済と特定の関係があり、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた方を対象に、「特例緊急経営安定貸付」「共済契約者貸付利用者の延滞利子の免除」「掛金の納付期限の延長等」が実施されます。
小規模企業共済制度の緊急経営安定貸付とは―
経済環境の変化等に起因した一時的な業況悪化により、資金繰りに支障をきたしている小規模企業共済の契約者に対して、(独)中小企業基盤整備機構が経営の安定を図るための事業資金を貸付ける制度。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
共済契約者貸付利用者の延滞利子の免除とは―
令和2年4月7日時点で契約者貸付を受けている方は、延滞利子を約定償還期日から1年間免除いたします。なお、約定償還期日が令和2年3月1日以降の借入れが対象となります。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
掛金の納付期限の延長等とは―
①掛金の納付期限の延長と②掛金月額の減額のどちらかを選ぶことができます。
4-2-12.DBJ・商工中金による危機対応融資(4月14日追記)
日本政策投資銀行(DBJ)と商工組合中央金庫による資金繰りの支援策です。
4-3.政府による給付金制度(4月14日追記)
個人事業者を含めて一番気になるのが給付金だと思います。
2020年4月14日現在で公表されているものは「持続化給付金」のみです。
ただ、給付限度額は法人で200万円、個人事業者等は100万円となっているため、新型コロナウイルスの影響が長引いた場合、給付額を増やすことが望まれます。
4-3-1.持続化給付金(4月14日追記)
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売り上げが前年同月比で50%以上減少している中小企業や個人事業者などを対象に、前年の総売り上げから前年同月比で50%以上減少している付きの売り上げに12をかけたものの差額が給付されます。
給付上限額は、法人が200万円、個人事業者等が100万円となっています。
令和2年度補正予算の成立が前提です。
2020年4月14日時点での詳細は▼コチラ▼を参照してください。
▼経済産業省「持続化給付金に関するお知らせ」▼
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/kyufukin.pdf
4-4.政府による雇用関連の支援
休業中はスタッフのケアも気がかりなところ。
個人が申請できる支援策もありますが、事業者側が対応できるものもあります。
詳細を知りたい方は、最寄りの都道府県労働局に問い合わせてみてください。
▼経済産業省「雇用調整助成金に関する主なお問い合わせ先一覧」▼
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/koyojyoseimadoguchi.pdf
4-4-1.雇用調整助成金の特例措置
雇用調整助成金とは―
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主を対象として、一定の条件を満たした場合に、休業手当や賃金などの一部が、大企業であれば2分の1、中小企業であれば3分の2、1年間で100日を限度に助成されます。
4月1日からは特例措置が拡大され、大企業であれば3分の2、中小企業であれば5分の4が助成されます。
また、4月1日から6月30日までは支給限度日数100日とは別に雇用調整助成金が利用できるようになります。
解雇などを行わない場合は、大企業であれば4分の3、中小企業であれば10分の9まで助成率が高まるようです。
4-4-2.小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援
新型コロナウイルス感染症に関する対応として、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子どもの保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規・非正規問わず、労働基準法上の年次有給休暇とは別途、有給の休暇を取得させた企業に対する助成金を創設します。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
労働基準法で通常付与される有給とは別に、スタッフなどの従業員に有給休暇を取らせた場合、休暇中に支払った賃金相当額の全額が支給されます。
日額上限は8330円となっています。
2020年4月2日現在では、2020年2月27日から3月31日までの間に取得した休暇が対象となっていますが、2020年4月1日から6月30日までの間に取得した休暇についても支援が行われる予定です。
4-5.税金などの猶予・優遇制度(4月14日追記)
意外と大きく響いてくるのが税金や保険料の支払いです。
緊急支援策として、納税や保険料の猶予、税制優遇などが用意されました。
4-5-1.納税の猶予の特例(4月14日追記)
昨今の新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの事業者の収入が急減しているという状況を踏まえ、2月以降、売上が減少(前年同月比▲20%以上)したすべての事業者について、無担保かつ延滞税なしで納税を猶予します。法人税や消費税、固定資産税など、基本的にすべての税が対象となります。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
基本的にすべての納税が猶予されるというものです。
財務省が詳細の内容を公表しています。
▼財務省「納税を猶予する『特例制度』(案)」▼
https://www.mof.go.jp/tax_policy/brochure1.pdf
4-5-2.税務申告・納付期限の延長(4月14日追記)
マスメディアでも話題になっていましたが、当初より申告期限を延長した4月16日以降も確定申告書を受け付けてもらえるようになりました。
経済的な恩恵を受けることには直接関係しませんが、休業対応と時期をずらせるメリットがあります。
▼国税庁「確定申告期限の柔軟な取り扱いについて」▼
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-021_01.pdf
4-5-3.国税の納付の猶予制度(4月14日追記)
新型コロナウイルス感染症の影響により国税を一時に納付することが困難な場合には、税務署に申請することにより、換価の猶予が認められることがあります。また、以下の事情がある場合には、納税の猶予が認められることがあります。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
換価の猶予が認められると、原則1年間猶予が認められ、猶予期間中の延滞税が最大ですべて免除されます。財産の差し押さえや換価(売却)も猶予されます。
▼国税庁「新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ」▼
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan.htm
4-5-4.地方税の猶予制度(4月14日追記)
一定の条件を満たせば、地方税徴収や換価の猶予が認められます。
4-5-5.欠損金の繰戻し還付(4月14日追記)
1.欠損金の繰り戻し還付制度
資本金1億円以下の中小企業は、前年度黒字で今年度赤字の場合、前年度に納付した法人税の一部還付を受けることができます。今般、本制度の適用対象を、資本金10億円以下の中堅企業にも拡大します。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
対象者が資本金1億円以下の中小企業者から資本金10億円以下の法人に拡大されました。
2.災害損失欠損金の繰り戻し還付制度
災害により災害損失欠損金が生じた法人について、災害のあった日から同日以後1年を経過する日までの間に終了する各事業年度又は災害のあった日から同日以後6月を経過する日までの間に終了する中間期間において生じた災害損失欠損金額を、その災害欠損事業年度開始の日前1年(青色申告書を提出する法人である場合には、前2年)以内に開始した事業年度に繰り戻して法人税の還付を受けることができる制度です。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
例えば、感染対策で施設や備品などを消毒した場合が該当します。
▼財務省「欠損金の繰戻しによる還付の特例(案)」▼
https://www.mof.go.jp/tax_policy/brochure3.pdf
4-5-6.固定資産税等の軽減(4月14日追記)
収入の状況によって減免率が変動する「固定資産税・都市計画税の減免」と、事業用家屋などを含む新しく投資した設備の固定資産税の免除内容を拡充・延長する「固定資産税の特例(固定ゼロ)の拡充・延長」を受けることができます。
1.固定資産税・都市計画税の減免
中小企業・小規模事業者の税負担を軽減するため、事業者の保有する設備や建物等の2021年度※の固定資産税及び都市計画税を、事業収入の減少幅に応じ、ゼロまたは1/2とします。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
2020年2月~10月までの任意の3か月間の収入の対前年同期比減少率が30%以上50%未満の場合は2分の1、50%以上の場合は全額、固定資産税が減免されます。
2.固定資産税の特例(固定ゼロ)の拡充・延長
現在、中小企業・小規模事業者が新たに投資した設備については、自治体の定める条例に沿って、投資後3年間、固定資産税が免除されますが、今般、本特例の適用対象に、事業用家屋と構築物※を追加するとともに、2021年3月末までとなっている適用期限を2年間延長します。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
特定設備の固定資産税免除の対象や期間などが拡充されます。
4-5-7.厚生年金保険料等の猶予制度(4月7日追加)
1.換価の猶予
厚生年金保険料等を一時に納付することにより、事業の継続等を困難にするおそれがあるなどの一定の要件に該当するときは、納付すべき保険料等の納期限から6ヶ月以内に管轄の年金事務所へ申請することにより、換価の猶予が認められる場合があります。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
2.納付の猶予
次のいずれかに該当する場合であって、厚生年金保険料等を一時的に納付することが困難な時は、管轄の年金事務所を経由して地方(支)局長へ申請することにより、納付の猶予が認められる場合があります。
出典:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
①財産について災害を受け、または盗難にあったこと
②事業主またはその生計を一にする親族が病気にかかり、または負傷したこと
③事業を廃止し、または休止したこと
④事業について著しい損失を受けたこと
一定条件に該当する場合、厚生年金保険料などの換価や納付が猶予されるというものです。
4-6.各自治体の支援策を活用しよう!
事業者支援のサイトみたいになってきました。
それはさておき、各自治体が独自に出している支援策もあるようです。
政府が打ち出している資金繰り支援策の案内が多く見られますが、詳細は▼コチラ▼で検索してみてください。
▼J-Net21「新型コロナウイルス関連情報」▼
https://j-net21.smrj.go.jp/support/tsdlje00000085bc.html
4-7.クラウドファンディングを利用しよう!
国や行政の支援策には安心感がありますが、実際の支援までに時間がかかる可能性があることと対象から外れる恐れがあること、現場の臨場感がないことが懸念材料として挙げられます。
そこでオススメするのがクラウドファンディングです。
クラウドファンディングとはざっくり言うと、オンライン上で行われるサービスで、提案者が発案したプロジェクトに対して賛同した出資者が金銭を提供するというものです。
例として、「新しくボルダリングジムを創りたい!」提案者が、クラウドファンディングを利用してボルダリングジムの新設資金を募集するというような場合が挙げられます。
うまくPRして多くの出資者を募ることができれば、希望の金額を比較的早く手に入れることが可能です。
4-7-1.オススメのサービスはCAMPFIRE
クラウドファンディングサービスは様々ありますが、オススメはCAMPFIREです。
CAMPFIREは、国内の出資ユーザー数が多く、手数料が比較的安いという特徴があります。
また、成約されなかったとしても、目標金額に満たなかった出資金額を得ることもできませんが、手数料などの費用を取られることもありません。
注目すべきは、現在「新型コロナウイルスサポートプログラム」として、COVID-19の影響で困窮した事業者のクラウドファンディングを応援する特集を行っています。
このプログラムを通して成約すると、通常かかるサービス手数料が12%から0%に引き下げられます。
プログラムの適用には、2020年4月30日(木)のAM11:59:59までにフォームからエントリーして、2020年5月29日(金)のAM11:59:59までにプロジェクトページ作成後の初回申請を行い、2020年7月31日(金)までにプロジェクトを公開することが必要です。
▼詳細はCAMPFIREのページを参照してください▼
是非この機会に、ジムのPRもかねてクラウドファンディングを利用してみてはいかがでしょうか。
もし、「CAMPFIREの登録方法がわからない」「目標金額の目安がわからない」「掲載する文章を考えてほしい・校正してほしい」など、お困りのことがありましたら、rockgym.info★gmail.com(★を@に変換してください)までご連絡・ご相談ください。
成約した場合のみ、成約金額の10%を成果費用としてお支払いいただくことを条件としてサポートします!
5.まとめ
人は未経験のものに対して「大丈夫だろう」と高をくくってしまいがちな生き物です。
特にクライマーは、多少出血しても指の皮がむけてもパキっても、登りつづけて悪化させるという方も多いと思います。
ただ、今回のような未曾有の、また、得体のしれないウイルスを相手にする場合は、生半可に警戒するだけでは足りません。
リアル店舗は休業して人の集まる場所をつくらない、個人は人の集まるところに進んで行かない、というのが現状とられるべき理想だと思います。
身近な人が自分のせいで死んでしまうリスクや、ジムがクラスター化して風評被害が起きるリスクを考えて、休業という選択をとってほしい。かといって、ボルダリングジムをはじめとしたクライミング施設が営業危機に追い込まれ、つぶれてしまうというのも避けたい。
このような想いを込めて、今回の記事を書きました。
是非、国や行政の支援策を活用しながら、クラウドファンディングでファンを頼って、健全な経営を続けてほしいと1人のクライマーとして願っています。
6.関連サイトまとめ
▼文章をクリックするとリンク先に移動します▼
・経済産業省「新型コロナウイルス感染症関連」
・経済産業省「相談窓口一覧」
・経済産業省「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口で土日も相談を受け付けます」
・経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
・JFG「お近くの信用保証協会一覧」
・ミラサポ「地域プラットフォーム」
・日本政策金融公庫「新型コロナウイルスに関する相談窓口」
・商工中央金庫「新型コロナウイルス感染症に関する特別相談窓口」
・経済産業省「持続化給付金に関するお知らせ」
・経済産業省「雇用関係助成金に関する主なお問い合わせ先一覧」
・財務省「納税を猶予する『特例制度』(案)」
・国税庁「確定申告期限の柔軟な取り扱いについて」
・国税庁「新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ」
・財務省「欠損金の繰戻しによる還付の特例(案)」
・ミラサポplus「制度を探す」
・J-Net21「新型コロナウイルス関連情報(都道府県別)」